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日本のソフトウェア産業がいつまでもダメな理由

日本のソフトウェア産業がいつまでもダメな理由

ソフトウェア産業の現状を"会社"、"エンジニア"、"業界"、"ユーザー"の4つの観点から論じてあり、なかなか耳が痛いものがあった。

エンジニアが真面目に仕事してるのに顧客満足度があがらないのは、自分たちが儲けるにはお客様には損をしてもらうしかない、逆にお客様に満足してもらうには、自分たちが損をすることという考えが働いているから。それは、価格構造、価格自体を開示したがらない(価格の根拠)、追加作業を極端に恐れる、クライアントに有益な助言をしない という現象にあらわれている。
確かにその通り。少ない経験から思うに、下請け、孫請けと下にいけばいくほどその考えが大きいと思う。無理なスケジュールを組まれ、上流で起きた遅れの尻拭いは後工程のプログラマがさせられる。そんな状況では、自分の身を守ることが第一でお客様に良いものを届けたいなんて考える余裕はない。また最初にこのような考え方に接してしまうと環境を変えない限り考え方を変えるのは難しくなる。ぼくもまだその考え方が抜けない。エンドユーザの顔が見えない現場で働くことは不幸だ。

お客様の要望をかなえるのが、エンジニアの職務だが、お客様がシステム化の目的を持っておらず、とりあえずシステム化だって時どうするか?
明らかにオーバースペックな機能、現状の業務フローを変更せず無理やりでもいいからとにかく作ってくれというお客様だったらどうする?
オーバースペックや非効率のままのシステム化でも作ったらお客様は喜んでくれるだろが、実際システムを利用する人たちは喜んではくれないだろう。
開発側は、工数が膨らむので喜ぶ。この歪んだWin-Winの関係をどうかえていくか?

の2点について考えさせられた。